この空の行方



灰色に霞む景色は、空か海か、或いは霧なのかさえ定かでは無い。
堤防の向こうはただ漠然と暗い色に淀んでいる。
冷たくも温かくも無い。ただ灰色は灰色然とそこにあるばかりだ。
もしかすると、そこには何も無いのかもしれない。
無感動な感触だけは何より確かだった。

小説「この空の行方」