それは鎖のイメージだ。
いつの間に、どうやって、絡みついたのかも分からない。
ただ、手にも足にも、幾重にも絡みつく。
気付くまでは、重いとさえ感じなかったそれが、
一度目に付くと厭わしくて仕方が無い。

それは鎖のイメージだ。
ひとつの鎖なのか、何本もの鎖なのか、それさえも分からない。
ただ、手にも足にも、幾重にもなって、私を絡め取る。

それは鎖のイメージだ。
その先は何処に続くのか、或いは誰が握るのか、やはり分からない。
逃れようにも、何処へ何から逃れるのか、何も分からない。
けれど、それは、鎖のイメージなのだ。