『白昼』


  真昼の白い浴室で君を抱く


  小さな窓から射す光に満たされて

  夜は冷たい床が今は少し生温い


  外では犬と子供と鳥の声がする

  だから僕らはそっと声を殺した


  君を抱きながら僕は揺れる水ばかり見て

  きっと床と同じに生温いのだろうと考える


  光の中の埃みたいにゆらゆらと定まらない君の視線

  僕の肩の上をゆるゆると今通り過ぎた


  白昼僕らは声もなく抱き合う


  光射す浴室は生温く白い