イノセント
君は僕をひどいひとだと言う
その同じ口で
君は僕にずっとひどい言葉を囁き続け
君は僕に傷つけられたと言う
その同じ口で
君は僕の胸のまんなかをえぐり続け
無知と言う名の刃
僕はそれをもっとも恐れ、もっとも憎み、
そしてもっとも哀れむ
君は僕の首を締めながら
そのきれいな白い手で
ゆっくりと締め上げながら
あなたはひどいひとだ、
あなたはわたしを傷つけた、
と繰り返す。
僕のささやかな抵抗が残す赤い爪痕
たったそれだけに涙を流す
痛いわ、痛いわ、あなたはひどいひとね、
そう言って、僕の首を締め続ける。
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教えてあげようか?
君の手は僕なんかよりもずっと血塗れで、
「それは全部君の傷つけた誰かの返り血。」
けれど君は知らず、僕に、誰かに、
ひどいひとね、ひどいひとね、
そう、叫び続ける。
無知と言う名の刃
僕はそれをもっとも恐れ、もっとも憎み、
そしてもっとも哀れむ
けれど好きなんだ
君の手の冷たい感触に目を閉ざす
「緩慢に向かう死への時間を、君と。」
それが僕の選んだ道だから。
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