太陽と月と獣


太陽に焦がれる月と
月に焦がれる獣

焦がれる月に気付かぬ太陽と
焦がれる獣に気付かぬ月

けれど獣は
それが私のほんものの愛だと言う

決して手には入らぬ太陽を
手に入るまで求めつづける月を

いつまでもいつまでも
狂おしく求めつづける月を

けれど獣は
私は月を求めたりはしないと言う

決して手に入らぬ月を
手に入れようと求めはしないと言う

決して手に入らぬものだから
初めから求めたりなどしないと言う

そして獣は
それが私のほんものの愛だと言う