無題


真っ赤に裂けた傷口から
血が止まらないように
死ぬまでは流れ続ける血のように
私は歌う

血はけれど痛みを伴わずには流れないのだから
痛みの故か、其れ故の痛みか、
私は歌う

生きるならば血を流さずに居られないのだから
自然に因りてか、意志に因りてか、
私は歌う
終わりのときを狂おしく待ち焦がれながら
私は歌う

歌い終えた抜け殻は安楽に眠る
血の退いた傷口はきっと思うよりも白く
死に絶えた躯はきっと思うよりも醜いだろう